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2008年5月号

第2回: 弁護士を使うのか、コンサルタントを使うのか?

HRMトーク第2回目の今月号は、会社内でのHRの範疇で何らかの問題が発生したときに、弁護士に依頼を出したらよいのか、それともHRコンサルタントを頼んだらよいのかの判断について、私の今までの経験などから少しお話をしてみたいと思います。

ここでクリアにしておかなければならないことは、どのような問題が社内で起こったのかであります。 従業員が会社や上司を相手取って訴訟を起こしたというような場合でありましたら、これはもう弁護士に依頼を出すしか手はありません。 しかし現実問題として、訴訟国家のアメリカではありますが、ある日突然、青天の霹れきのごとく、何の前触れもなしに訴訟にまで事が発展するようなケースは、ほとんどないはずです。 当然前触れとなる何かが訴訟に発展するまでにはあったはずで、積もり積もったものが訴訟という形で表沙汰になるというシナリオがほとんどの事例にあてはまるのではないでしょうか。

そのような前触れがあったときに、それを見逃さずにその時点で先手を打つことが当然のことですが、何よりも重要になります。 そのような場合であっても、果たして弁護士に登場してもらう必要があるのでしょうか。 一般的にいえば、小さな芽を摘み取ることは、社内のスタッフでも十分出来ることですが、例えば小さな規模の会社であれば、社内にHR専門のマネージャーを有しているところはそれほど多くないはずです。 また仮にHRを担当しているマネージャーがいても、その人は社内で会計や総務などとの兼任であることも多く、必ずしもHRの専門家としてマネージャーになった人ではないかもしれません。 そのような場合であれば、やはり有効なアプローチは、外部のHRコンサルタントの支援を仰いでみられるということになります。 その理由はいろいろありますので、少し詳しく述べてみましょう。

まず当然のことですが、HRコンサルタントは、HRに関しては、専門家でありますから、専門家の立場から客観的な見方ならびにアドバイスを講じることが出来ます。 社内の人間関係において、社内にいる人間は客観的な見方をすることが時には難しいことが出てきます。 それは長年同じ釜の飯を食ってきた仲においては、人間、誰しも避けられないことです。 しかし、外部の第三者的な見方をとればそれは、問題の温床を生む遠因であったり、ある人には利益になり、ある人には不利益になるという状況のものであるかもしれません。 このような社内での不均等な状況を打破する上でも外部からの第三者としてのアドバイスはきわめてフェアなものであり、状況を的確に判断できる材料になります。

もうひとつは、法律が大いに幅を効かせるこの国アメリカではあっても、すべてが法律の解釈を経なければ解決できないという問題ばかりではないということです。 小さな問題の芽を摘む上で、管理職に例えば、セクハラや差別禁止のトレーニングを社内で施すということはコンサルタントができることであり、何も弁護士に頼まなければならないという類のものではありません。 また、従業員との面談などを通じて、社員の会社満足度を調査したり、給与やベネフィットのサーベイなどをとるのも、コンサルタントの立派な仕事の範疇です。

そして最後に申し上げたいのは、費用のことです。 恐らく弁護士を使う費用はコンサルタントのそれに比べて3倍から4倍かかるのではないでしょうか。 確かに訴訟沙汰になるようなリスクのある件であれば、もちろん最初から弁護士に依頼を出すしかありませんが、先にも申し上げましたように、訴訟ではないケースの方がほとんではないかと察するわけです。 それでもリスク・マネージメントと称しながら、弁護士に何でもかんでも依頼を出す日系企業さんが多くあることを私は知っていますが、残念ながら費用対効果に関してとても賢明なやり方であるとは思えません。

アメリカの企業の多くは、もちろん弁護士を使い、多くの厄介な法的問題の解決にあってはいますが、弁護士と同じくらい、外部のコンサルタントも起用しています。 特にHRコンサルタントは、リソースとして持っていて、必ず損のない外部の貴重なサービス機関ではないかと思います。 弊社はオレゴン州ポートランド近郊に位置してはおりますが、基本的なHRに関しましてのご質問やアドバイスにつきましては、今までも全米からお問い合わせをお受けし、その都度、的確なお答えや解決策をご提供してまいりました。 貴社のHRに関しましてのお悩み事やアドバイスの供給元といたしまして、弊社Pacific Dreams, Inc.を“HRの駆け込み寺”として皆様の頭のどこかに留めておいていただけましたら、誠に幸いでございます。 皆様からのご質問、いつでもお待ちしております。

 

Ken Sakai
President
kenfsakai@pacificdreams.org


お断り

上記記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的アドバイスと見なされるべき類のものではありません。ここに含まれている内容はあくまでも概括的なものであり、個人や企業の法的、または事実に基づく諸々の状況には必ずしも適合しないものかもしれません。 弊社は、法律事務所ではありませんので、何らかの法的行動を起こされるような場合には、必ず専門の弁護士にご連絡の上、ご相談してくださいますようお願い申し上げます。


   

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