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2009年2月号

第11回:社内恋愛についての規定を設ける?

今月2月は、14日に恒例のセント・バレンタインデイがやってきますので、ひとつアメリカ企業での社内恋愛事情、そしてそれに対する社内での規定やポリシーなどはどうなっているのかなどにつきまして特集をしてみたいと思います。  日本ではご存知のように社内結婚が多く、したがって社内恋愛もごく普通のことのように考えられているのではないかと思われます。 しかしながら、きわめて重要であることは、社内で恋愛関係にある二人がどこそこにいるということを同僚や、ましてや上司に悟られたりするようなことが決してないようにすることが大前提であるかといえるでしょう。 それが途中で発覚したり、密告されたり、はたまた噂が流布するようなことがあれば、恋愛関係にあるどちらかが社内を去らなければならない(ただし、通常は女性の方が圧倒的に多い)ことも出てくるようです。

私は、日本を離れてから20年以上もたちますので、最近の日本の職場環境というものはあまりよく分からないのですが、アメリカでは、日本ほどには職場結婚が盛んではないような気がいたします。 それは、特にフォーチュン500社に入るような大企業では特に顕著なのですが、従業員ハンドブックの中や社内ポリシーなどで、社内恋愛を明確に禁じているところが多いからなのです。  この社内恋愛を禁じている条項を英語では“Non-Fraternization Policy”と呼んでいます。 ちょっと聞きなれない難しい英語ですが、特に同じ部署内での恋愛関係や上司と部下との間での恋愛関係を原則的に禁じている条項になります。

特に問題となりえるのが、上司と部下との間での恋愛関係で、これは上司の持つ特権をもってすれば、恋愛関係とはいえ、何らかの強要が発生する可能性が大であり、それによってすなわちセクハラに発展することがあるからなのです。 ただしこのような規定が社内にあっても働いている人間一人一人は生身の男と女であるわけですので、規定ではこのような恋愛関係になった場合には、すぐに社内人事部(HR)に相談を入れるようにということを義務付けています。 その報告を受けたあと、人事部では即刻人事異動の適切なる手順を通常踏むことになります。

確か数年前でしたが、ドイツのデュセルドルフにあるウォールマート店で、店長と部下との間での恋愛関係が発覚し、ウォールマートは社内ポリシーに従って、部下の女性従業員を解雇しようとしたのですが、地元裁判所で訴訟に持ち込まれ、ウォールマートの社内恋愛規定はドイツの憲法に違反するという判決が下され、ウォールマートは見事に敗訴しています。 どうもヨーロッパ諸国では、アメリカの企業が持つ、このような“Non-Fraternization Policy”のくだりは、押し並べて違憲という判断が下されているようなのです。 その意味では、アメリカにあるアメリカ企業(特に大企業)がこの社内恋愛に関して世界で最も厳しい規定を設けているといえるかもしれません。

そうはいってもアメリカでも社内結婚は昔から盛んであり、最近の傾向としても増加の兆しが確かに見られるというのです。 アメリカ人事管理協会(SHRM)が2006年に実施した会員企業で働く人事担当者へのインタビュー調査では、60パーセント強の割合で、社内恋愛の末に結婚した従業員がいたと答えているほどです。 女性の進出が当たり前の職場環境にあっては、社内恋愛を規制するだけでは十分な解決策にはならず、かといってそれに絡んで発生するであろう様々な社内問題が想定されるのもまた現実です。

これは、私の個人的な意見としてご理解していただければと思うのですが、社内で社内恋愛を基にした何らかの問題が今までに発生したことのある企業様におきましては、前述しました“Non-Fraternization Policy”を従業員ハンドブックにあらたに追加しておくということは、セクハラや差別などの雇用リスク軽減の意味においては、とても有効な手段であると考えます。 この“Non-Fraternization Policy”についてお知りになりたい企業のご担当者様がおいででしたら、お気軽に私までご連絡ください。 弊社は日系企業様の「人事の駆け込み寺」なのですから、いつでもご相談にお乗りします。


Ken Sakai
President & CEO
kenfsakai@pacificdreams.org


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上記記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的アドバイスと見なされるべき類のものではありません。ここに含まれている内容はあくまでも概括的なものであり、個人や企業の法的、または事実に基づく諸々の状況には必ずしも適合しないものかもしれません。 弊社は、法律事務所ではありませんので、何らかの法的行動を起こされるような場合には、必ず専門の弁護士にご連絡の上、ご相談してくださいますようお願い申し上げます。


   

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