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2009年11月号

18回:自宅勤務をする合意は、交わしていますか?

日に日に日差しが短くなり、今年も寒さが懐具合とともに身に沁みる11月後半と早あいなりましたが、毎年この季節になりますと、ただでさえ体調を壊したり、風邪を引きやすくなったりします。 今年は、さらに新型インフルエンザの脅威にも世間一般さらされているわけでありまして、職場を病欠せざるを得ない従業員の方が例年以上に増える可能性がここしばらく続きそうな環境にあります。

そんな気配がある中で、感染性は強いものの、それほどの重篤にはならないといわれているこの新型インフルエンザにもし万一感染してしまったのなら、会社から自宅待機を命じられてもそれは、会社のその指示に従業員としては従わざるを得ません。 仮に症状が緩和してきた後であっても、感染した従業員の方とオフィスで働いている他の従業員の方々との双方の大事をとって、1週間程度は自宅にいられた方がよいのではないかと思われますが、インフルエンザに罹患された従業員の方ご本人にとっては、何日も自宅待機や自宅療養と云うのでは、ご自身の収入源確保の懸念が発生することになります。 そこで、自宅で仕事をしてもらっても構わないという、英語で言うところの“Telecommuting”(自宅勤務)を認めるポリシーが企業側にとっても従業員側にとっても現実的な方策として俎上にのぼってまいります。

企業としては、新型インフルエンザから従業員が完全に回復するまでは、体調さえ十分許せば自宅勤務をしてもらって構わないと云うのは、至極もっともな方策でありますし、インフルエンザに罹患してしまったご本人にとってもオフィスにいる他の方々に菌が伝染するような心配をせずに、しかもご自身の収入源の目減りを最小限度に食い止められる意味でも自宅で働くことは、非常に有難いことだと云えるはずであります。 今のご時世、インターネット接続とPCさえ自宅にあれば、通常はオフィスでやっていたかなりの部分の仕事を自宅にいても同じようにして行うことができるわけなのですから。

このようなパラデミックと呼ばれる、感染力の強い新種の病原菌が現実として世界中で広まってきている以上、従業員に対して企業として何らかの方策を立てなければならないのは自明の理であるかと申し上げられます。 Telecommuting は、企業として従業員と毎日の業務に支障をきたさない上におきましても、通常の中で出来るもっとも現実的かつ、対応可能な対応策です。 ですが、だからといって、やみくもにこのTelecommuting を従業員の裁量だけで自由に認めてよいというものでは決してありません。 まず、従業員ハンドブックの中で、Telecommuting についてのポリシーとその規定の記述を作成して、あらたに追加する必要があります。

さらに、実際にTelecommutingをする従業員の一人一人と、事前に ”Telecommuting Agreement”(自宅勤務の同意書)を取り交わされておくことをお勧めいたします。 このような同意書を取り交わすことで、自宅勤務をする中で実際に起こりうる細かなことまでを想定し、共通の理解を従業員との間で前もって確認しておくことが可能となります。 同意書を取り交わさずに、安易に自宅勤務を認めてしまいますと、やはり何かが起こったときには、揉め事に発展してゴタゴタが発生する懸念が十分に出てまいります。 もちろん、すべての細部までを同意書内だけで規定することは出来ませんが、あくまでも企業が持つガイドラインとしての規定として、とても有効な社内文書の役割を果たすのではないかと思います。 このような自宅勤務同意書の作成に関しまして、もしご関心やご質問がございましたら、ぜひ弊社のこの私、酒井までご連絡いただけましたら、必ずや皆様のお役に立つことが出来るものと存じます。

企業も従業員の方も気持ちよく、オフィスにいても自宅にいても仕事をしてもらうためには、双方がやはり暗黙の了解と云うのではなく、文書として記録に残して、お互いの合意の署名をしておくことが双方の安心感にもつながります。 Telecommuting は、一般のアメリカ企業の中でもいままでに常に賛否両論がありますし、すべてのTelecommuting がうまく機能しているわけではありません。ですが、このようなパンデミックが現実化している世の中におきましては、日系企業といえども、Telecommutingを採るという方策は、もはや避けて通れない重要な選択肢の一つであるかと申せます。 その有効な対策を早め早めで立てて行くというのが、企業にとってのリスク対策の一環であり、その根幹になることは間違いないことです。 ぜひとも、社内でTelecommuting をうまく実行に移し、企業にとっても従業員にとっても双方 ”Win-Win”  の関係が構築できるようになりますことを切に願っております。


Ken Sakai
President & CEO
kenfsakai@pacificdreams.org



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