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2008年12月号

第9回: 景気後退期は、人的資源強化の最適期

まさに世界同時不況の様相を呈しつつある今年の暮れとなりましたが、来年2009年もこのままで行きますと、さらに景気後退が深刻化する1年となりそうな気配であります。 私は、努めて楽観主義を押し通す方の人間なのですが、それでもどんなに早くても2009年の第4四半期までは、マイナス成長がアメリカと日本、そして欧州でも続くような気がします。 ですが希望的観測といたしましては、第4四半期には、経済は劇的に回復に向かうというシナリオを私の中では思い描いています。 その確かな理由というものを訊かれましても、確固たる答えは私自身持ち合わせているわけではありませんが、オバマ新大統領に期するところが大であるというところが偽らざる私の信条であるからだとだけ申し上げておくことにいたしましょう。

さて、2009年の第4四半期までマイナス成長が続くとしたら、それまで企業としてはただひたすら経費の削減、労働力の削減、設備投資の凍結といった忍耐を強いるリストラだけの方策のみでいつしか訪れるであろう、景気回復という春の到来をひたすら歯を食いしばって我慢して待っていればそれでよいのでしょうか。 もちろん、そんなことでは何の解決にもならないということだけは皆様は百も承知のはずです。 積極的なことは何もせず、ただじっと我慢をしているだけでは、企業は、“座してその衰退を待つ”だけとなります。

私も会社の経営者でありますから、かかわりあう周囲の状況や環境は大同小異です。 私としては、新規事業や新製品あるいは新サービスの研究開発(R&D)にこの景気後退期に主力を注入することに努めます。 その際に最も重要な鍵を握りますのが、とりもなおさずそれを実行することのできる人材であります。 今までいる人材に頼るだけでは、革新的な新製品開発や新しい技術を使った新規ビジネスモデルを打ち立てことは、至難のことではないかと思います。 そこには、やはり新しい人材の投入ということも考えてみなければ、このような試みは、そう簡単には立ち行くものではないからです。

人を切らなければならないようなこの不況期に人を新たに採用するなどということは、まるで絵に描いた餅のようだといわれてしまうかもしれません。 しかし、危機の時代は、チャンスの到来にあたる時代でもあり、危機とチャンスとはお互い隣り合わせの関係ではないかと思えるときがあります。 リストラやレイオフで企業から放出された優秀な人材が今ほど世の中に多く存在している時期はないかもしれません。 企業としては、今ほど優秀な人材を直接採用できる時期は他にないと考えれば、明らかにこれはチャンスに転じます。 景気後退期は、企業の人的資源を強化するのはまたとない好機でもあるのです。

人的資源の強化というのは、何も新しい人材を求めて採用するだけに留まりません。 社内の人材育成にもいっそうの光を当てて、繁忙期にはとても提供することが出来なかった、様々なトレーニングを今後リーダーとなって社内で力を存分に発揮してもらいたい人材を中心として、提供することのできるまたとない好機の時期でもあります。 不況期に設備投資を凍結することは一向に構いませんが、人材の育成や強化までを凍結してはなりません。 それをすれば、ただでさえ、社内の士気が滞っているところに、社員全体のモラル低下が追い討ちをかけ、今度は優秀な人材の流出に歯止めがかからなくなる、まるで悪夢のようなスパイラルがいつ何時発生するかわからない状況が発生してまいります。 これだけは、どんな不況期に遭遇していようとも、企業としては何としても食い止めなければなりません。

今年の前半を思い浮かべてみてください。 今年の秋以降、こんなに実体経済が急速に落ち込む、しかも世界同時進行的に悪くなるとは誰一人思ってもみなかったことではなかったのではないでしょうか。 この現実には、各国の中央銀行の総裁も政府の財務長官や大臣も、ノーベル経済学賞を受賞した経済学者も大学教授も皆一様に無力をさらしていました。 つまり、人間の英知や経験を超えるスピードでもってグローバル化された今の世界の実体経済において、明らかに誰も予期しなかった新次元のエコノミーの枠組みにすでに世界があっという間に移行してしまっているからではないでしょうか。 このまったく新しい枠組みの中で今までの尺度で予測や対策をしていたのでは、とても間に合わないということだけはもはや明白な現実なのです。

この経済危機は、著名なエコノミストによっては全治5年であるとか、早くて3年とかメディアの中では、いろいろと喧伝されてはいますが、これほど急激に悪化した経済の回復というのも、もちろん今後の政策如何によりますが、世界各国のグローバルな協力関係のもとで、今までに経験しなかった速さで景気回復が達せられうるという見方ももはや不可能なことではないのではないかと思う次第です。 確かに今まで培ってきた経済の延長線上だけで考えたのであれば、全治3年や5年というのは確かにもっともな予測であるのかもしれません。

しかし、そこまで企業が待っていられるということは現実問題として不可能なことであると思いますし、まったく新しい経済の枠組みが世界同時進行的に加速している枠組みにおいては、景気の回復期に備えて、今から企業の人的資源の強化を図る戦略を取ることがもっとも現実的で賢明な選択なのではないかと考えます。 そのためのサポートをいつでも弊社としては、喜んでお承りさせていただきますので、どのような人事のご相談でもご遠慮せず、どうぞ弊社まで駆け込んできてください。 弊社は、日系企業の皆様方にとりましての“人事の駆け込み寺”であり続けるのですから。

 


Ken Sakai
President & CEO
kenfsakai@pacificdreams.org

お断り

上記記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的アドバイスと見なされるべき類のものではありません。ここに含まれている内容はあくまでも概括的なものであり、個人や企業の法的、または事実に基づく諸々の状況には必ずしも適合しないものかもしれません。 弊社は、法律事務所ではありませんので、何らかの法的行動を起こされるような場合には、必ず専門の弁護士にご連絡の上、ご相談してくださいますようお願い申し上げます。


   
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