熱狂する社員
企業競争力を決定するモチベーションの3要素
デビッド・シロタ、ルイス・ミスキンド
マイケル・メルツァー 共著
英治出版社
2006年2月10日刊・314ページ
今月ご紹介いたしますのは、成果主義に一石が投じられている現在の日本企業における人事査定につきまして、米国でもトップクラスにある名門ビジネススクールでありますペンシルバニア大学ウォートン・スクールから原書が出版された書籍の翻訳書であります。 本書は、世界250万人の働く人々の「現場の声」を収集し、企業や組織におけるモチベーションの本質についてわかりやすく解明をしようと試みた壮大な考察と検証の記録であり、大変な労作でもあります。
内容的には、それほど目を引くような斬新なことが特に書かれているというわけでもないのですが、「社員にとって働きがいのある企業こそ、中長期的な好業績を実現できる」という至極当然であるテーマが、本書の根底を貫かれており、そのテーマをひとつずつ丹念に検証していこうする並々ならぬ著者たちの意気込みがページを追うごとに伝わってまいりますので、ページを進めていくうちに思わず書籍の中に引き込まれてしまうほどです。
モチベーションとしての3つのコアとなる要素として著者たちが取り上げていますのは、「公平感」「達成感」そして「連帯感」の3つであったということですので、自ら行った調査の中からそのような結論を下し、裏付けを取っています。 統計的な数字による手法を使うというよりも、現場で働く人々の生きた声を収録しているのも本書の特徴で、数字で固められた調査結果よりもむしろはるかに読者に対して説得力を持つ書き方がなされているのではないかと読者として感銘を受けました。
内容の視点としては、経営者の目線からのものの見方が圧倒的に多くなされておりますが、社内で人事に携わる方やご自身で部下をお持ちの方には、大いにご参考になる箇所が目白押しです。 実録されております各社それぞれの取り組み方や各企業の社内ポリシー、会社の存続危機に見舞われた瀬戸際のときに社員が進んで取った実際の行動など、読み物としても十分に読者を引きつける内容に溢れています。
通常の業務を行っている中では、意識下にとどめておくことが難しいような内容も含まれているのですが、自分がなぜあの時あんなに仕事に燃えていたのか、あるいはその逆で、どうしてあの時は仕事に有意義な目的を見つけられなかったのかというような視点で読み進めてみても、きっと納得できる解を見つける道筋が本書の中に隠されているはずでありますので、リーダーたる経営者や管理職の方々のみならず、これから成長していこうとする若い方々にもぜひ一度手にとって見ていただきたい書籍としてご推薦したいと思います。
*Pacific Dreams, Inc. では、「熱狂する社員:企業競争力を決定するモチベーションの3要素」(英治出版社刊:$40.00 Each, Plus Shipping & Handling $6.00)を在庫しておりますので、ご希望の方は、お電話 (503-783-1390) または、E-mailで bookstore@pacificdreams.org まで、ご連絡ください。
Ken Sakai
President
kenfsakai@pacificdreams.org
|