「翻訳トーク」 2008年1月号のごあいさつ
明けましておめでとうございます。
皆様の年末年始はいかがでしたか。私は、12月の日本出張からオレゴンに戻ってきてからというもの、連日のしつこい咳と鼻水に悩まされ続け、会社を休むということはしなかったものの体調不良が続きました。この時期は、今までにもよく風邪を引いてはいたのですが、こんなに長く続くとは思っていませんでしたので、いくら40才台最後の年を迎えたからといっても、こんなに健康がいとも簡単に蝕まれるものなのかなと自分自身でも半信半疑でおりました。
日本では考えられないでしょうが、私のかかっている主治医は、いつも超多忙で、診察のアポを取れるのが3週間から4週間先というのが当たり前になっています。それでは、主治医にかかる意味などほとんどないに等しいのですが、とにかく4週間我慢して待って年末の診察に行ってまいりました。すると私がてっきり風邪だと思っていた症状が、実は1ヵ月半前に処方してもらった血圧降下剤の副作用であることが診察で判明しました。
どうもアメリカの処方箋薬は、日本人の私のとっては相当強すぎるようです。高血圧を抑える薬は毎日服用しますので、その副作用分も毎日少しずつ蓄積されてこうして症状として出ていたのだということを知りました。今は、その強すぎる処方箋薬は、直ちにストップして、別の(しかも日本の製薬会社の)最新の血圧降下剤を服用し始めてから、私の症状もようやく少しずつではありますが、改善し始めたところです。ただし、薬の副作用は、服用を止めた後でも3週間ぐらいは続くことがあると聞いて、全快するまでにはまだ少しかかりそうな気配です。
ということで、私の年末年始は極力どこにも行かずに家で妻と娘とで静かに家族で過ごしておりました。通常ですと、教会のクリスマス礼拝や合唱団のコンサートを聴きに行ったり、親戚や友人宅にお呼ばれするというパターンが多かったのですが、今回は大晦日にポートランドノウエストヒルに住む妻の妹宅に行っただけの外出でありました。外出がほとんどなかったので、それはそれで家にいて体も休まり、また家族と過ごしたり、最新の映画をDVDで見たりと、いつもの年末年始よりも多くのゆったりとした時間が取れてそれなりに充実したものになりました。
娘は、大学最後の冬休みの最中で、1ヶ月近く休みがあるのですが、家に大量の画材を大学から車で持ち込み、毎晩遅くまで卒業制作用の油絵の作業に取り組んでいます。今年の4月後半になると、大学にあるアートギャラリーのスペースを使って、シニア(大学4年生)の卒業制作展が開かれます。娘がこの冬休み中に取り組んでいますのは、この卒業制作展に出展する油絵の絵画数点です。どんな絵画を制作しているのか(本人は自分は写実派なのだと定義していますが)親の私にも今は秘密ということで見せてもくれません。
娘は、今通っているワシントン州タコマ市にあるUniversity of Puget Sound(通称UPS)を卒業した後は、アメリカ東部地域にある大学院に進学することを希望しています。現在3つの希望校があり、ナンバーワンの希望校は、Boston University(通称BU)のMaster of Fine Artsのプログラムです。第2希望としては、フィラデルフィアにあるPennsylvania Academy of Fine Artsで、第3希望はNew York Academy of Artsだということで、これから応募書類の作成と送付の準備もこれから始まるようです。
アート専攻の大学生はアメリカでは、卒業するまでに自分の制作したアートのカタログを作り、それを大学院の応募書類とあわせて志望大学院まで送ります。またそのカタログを自分のウェブサイト上に掲載して、公開するのも一般的であるようです。大学の教授からもそのようなカタログの作り方や自分自身と作品のPRの仕方についてもしっかりとした指導を受けます。そうして優秀な学生が大学院に受け入れられたり、作品がそれなりに評価されたりすれば、それはすなわち学生が在学していた大学や指導をした大学教授の高い評価にもつながりますので、当然大学からの学生に対しての指導にも熱が入るわけです。
3月後半に入ると今度は1週間ほどの大学の春休みがありますので、その時期を使って、本人はボストン、ニューヨークそしてフィラデルファイアに一人旅で各大学院を訪問し、実際に授業にも出席してみるということを計画しているところです。そのような旅行や卒業制作が控えていますので、娘は嬉々として毎日夜明け近くまで自宅のアトリエに閉じこもって油絵の制作に余念がありません。自分の好きなことが学べて、それで仕事ができて暮らしていくことができるならば、それは長い人生の中では最高の道でありますので、まだまだどうなるものかは当分わかりませんが、少なくとも自分の好きな方向に確実に進んで行っている娘には当分スローダウンする時間も暇もないようです。
Ken Sakai
President
kenfsakai@pacificdreams.org
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