「翻訳トーク」 2009年2月号のごあいさつ
「翻訳トーク」特別配信号として、年の初めの先月1月に在米日系企業様向けにお願いを出させていただきました、社内翻訳につきましてのアンケート調査依頼は、お蔭様で50名様近くからの有効回答をいただくことができました。 アンケートに対しましてこのようなご反響をいただきましたことは、まさに深謝の至りです。アンケート調査にご協力くださいました方々には、あらためましてこの場をお借りしまして、深く感謝申し上げます。 どうも有り難うございました。 アンケート調査の方は、これで終了とさせていただきます。
さて、皆様からいただいたこの貴重な調査結果をもとにいたしまして、翻訳事業部門(現在はTOIN USA Inc. に移管)のマーケティングに何とか役立てられないかと現在検討を開始したところです。 実は、私が今まで翻訳のビジネスを続けてまいりました中で、日系企業様におかれましては、日常的に発生するであろう社内での翻訳業務(特に日 → 英 翻訳)に関して、一体どのようにしてご対応なさっておいでであろうかという点が純粋に質問点として私の脳裏にありました。 今回のアンケート調査では、その辺の質問点につきまして、大変参考となる忌憚のないご意見を直接お聞かせいただき、また日系企業様の社内翻訳における現状というものを正しくシェアさせていただけましたことは本当に有難かったとしみじみ感じております。
日系企業様の社内翻訳の現状につきまして、お寄せいただきましたアンケート調査のご回答から下記のようにその結果をまとめてみました。
- 社内に翻訳を振り分けるご担当者様(通常は、駐在員で幹部クラスの方)がいらっしゃり、その方の下で、1名ないしは2名の現地採用の日本人社内スタッフの方が翻訳を社内でこなされている。
- 社内翻訳は原則、社内で行われているため、社外にアウトソースするということはほとんどない。 必然的に社内で特に翻訳だけでの予算化というのもなされていない。
- まれに、社外にアウトソースした場合でも、社内用語や専門用語に関して、バラツキが見られるため、社内で再度見直しなどをしなければならず、費用をかけた割には、効率性が必ずしもよいとは感じられていない。
- 基本的に社内で翻訳はすべて行っているために、時間がかかり、業務の効率化という点においては必ずしもうまくいっていない。
- 出来上がった翻訳(特に日 → 英 翻訳の場合)の品質については、検証することがなかなかできないでいる。(いわゆる、“QA”を行うことが難しい)
- 社内翻訳スタッフも数年すると入れ替わってしまうため、せっかく築いてきた翻訳に関するナレッジやスキルが後任者にスムーズに継続できずに終わっているケースが多々発生している。(翻訳が社内のシステムやワークフローに作り込まれていない)
- 日本人駐在員数も増えるよりは減っていく傾向にある一方で、社内での翻訳自体の需要は減ることは考えにくく、増え続ける社内翻訳需要のボリュームに対してどう対応していかねばならないのかという対応を迫られている。
- アメリカから中南米向けの製品輸出が増えつつある中で、英語からスペイン語、または日本語からスペイン語への翻訳のニーズが今後増えてくることが予想される。
以上が今回のアンケート調査をまとめたものでした。これらの結果をつぶさに見てまいりますと、原則的に社内でほとんど行われている翻訳は、効率化や品質、そして人(社内翻訳スタッフ)に依存する割合がきわめて高く、社内システムのフローに乗っていないなどの潜在的な問題点が浮き彫りになってまいりました。 私にとりましても特に意外でありましたのは、(翻訳スタッフの個人レベルとしては、お作りであるのかもしれませんが)社内で会社としての社内用語や専門用語のグロサリー・リスト(用語集)も作られていない企業様がほとんどであったということです。 ましてや、翻訳ソフトやツールも(こちらも個人レベルとしては、お使いであるのかもしれませんが)会社レベルで導入なさっていらっしゃる企業様は、アンケート調査のご回答をいただいた50社の中でわずか1社にすぎませんでした。
それでは、日系企業様の比較対象といたしまして、アメリカの企業ではどのようにして社内翻訳というものに対処しているのか、あくまでも私の経験からひとつご紹介してみましょう。 弊社では、アメリカ企業からの翻訳受注が多かったこともあり、今回のようなアンケート調査をアメリカ企業に対して実施したことは今までなかったですが、アメリカ企業のおおよその実態については営業活動の中から把握しています。 アメリカのグローバル化した大手企業の中には、ローカリゼーション部門というのが社内に存在していて、そこにプロジェクト・マネジャー、あるいはローカリゼーション・マネジャー(またはトランスレーション・マネジャー)がいます。 また社内にローカリゼーション部門を持たない中小企業の場合ですと、プロダクト・マネジャー、テクニカル・ドキュメント・マネジャー、あるいはマーケティング・マネジャーが翻訳の担当を兼ねている場合が多いといえます。
グローバル企業の場合ですと、翻訳するのは、英語から日本語のような単一言語ペアの組み合わせだけでにはとどまりませんので、英語から多言語展開するための複数の翻訳プロジェクトが同時進行的になされます。 そのために社内での翻訳に関するシステムが出来上がっていませんと、効率的な対応など、とても望めません。 その社内で完備されたシステムのワークフローに従って通常、翻訳プロジェクトが進捗していきます。もちろん、予算化も社内であらかじめ行われます。 社内で翻訳を行うようなスタッフは常時いるわけではありませんので、基本的には翻訳自体はすべて外部にアウトソーシングされることになります。 (このようなシステムは、当然のことながら、日本に本社のある日本のグローバル大手企業様でも恐らく同じようなワークフローにて展開されていらっしゃるのだろうとお察しいたします。)
それでは、日系企業様は、本社に対してあくまでも子会社に位置するのだからそのような翻訳システムは社内で持つ必要はないというロジックであってもよろしいものなのでしょうか。 アンケート調査の結果から感じましたのは、多くの日本の本社の方でも翻訳に関しての社内システムを特にお持ちではないようでして、翻訳については、現地法人で皆それぞれに別途対応しなければならない状況にあるというものでした。日本の本社では、翻訳に関する社内システムを持たない、翻訳は、現地にある子会社まかせ、子会社でも翻訳システムを持たず、駐在員の皆様をはじめとする、現地採用者を含めた社内の人海戦術をもってしてご対応なさっているという図式が今回のアンケート調査でお見受けをした次第でございます。
すでにご存知ではあるかと存知ますが、 弊社パシフィック・ドリームスの翻訳事業部門は、昨年11月より、日本の(株)十印に統合されました。 統合後、主に知りましたことは、1963年に創立された翻訳会社としてはまさに日本の中のパイオニアであります(株)十印には、翻訳に関する多くのナレッジと経験、そして様々なスキルとが集積され、海外の大手グローバル企業から学び、習得した多大なるリソース、知的財産、そしてノウハウを保有しているということを認識したことです。 弊社が(株)十印と一緒になりましたことで、単に一つ一つの翻訳を行うだけにとどまらない、システム化された業務携帯のフロー作りのお手伝いも翻訳業務におけるコンサルティング・サービスとして日系企業様にご提供することができます。
アメリカで今後ともこの地に踏みとどまって現地での生産や業務を続けていかれます日系企業様には、中核となる皆様の本業に対してより多くの資源と時間とを割いていただきまして、市場が収縮し続けるという未曾有の危機的経済下の中であっても、アメリカ企業や海外企業と伍して市場内での競争に勝ち残っていただくことを心底願っております。 さらに、アメリカからは近距離にあります中南米向けのお仕事も今後は日系企業様にとりましては、射程圏内での有望市場として取り込んでいかねばならないテーマではないかと存じます。 (株)十印ならびにTOIN USA Inc.では、英語ならびに日本語からの(中南米向け)スペイン語やポルトガル語翻訳もサービスとして対応することができます。
皆様の本業における事業でのご成功を収められていけますよう、私どもからの様々な支援とサービスとを今後とも続けてまいりたいとまさに肝に念じております。 個別になりますが、貴社の社内翻訳につきまして、今回アンケート調査にご協力いただきました方々には、私の方から別途ご連絡をお取りさせていただきたいと存じますので、その際には、どうぞ引き続きまして、何とぞよろしくお願い申し上げます。 また、貴社ので中の社内翻訳におかれまして、何らかのご質問やお問い合わせにつきましては、無料でご相談にお乗りしたいと存じますので、どうぞお気軽に私、酒井の方までご連絡をいただけますでしょうか。 重ねまして、皆様のお力になれますことを期しております。
Ken Sakai President & CEO
kenfsakai@pacificdreams.org
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