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2009年4月号

「翻訳文書は、企業のマーケティング資産」

弊社のような翻訳会社は、企業であるお客様からマニュアルやカタログ、さらにレポートやレターなどの様々な翻訳のご依頼をいただくわけです。 それらお客様からご依頼をいただく翻訳文書と云うのは、多くの場合、もともと立派なひとつのマーケティング文書あるいは資料であるという位置付けを取ることができます。 確かに社内文書として社内だけで閲覧するための翻訳というのもあるのですが、それよりも多いのが企業のお客様にお届けするための文書や資料の翻訳になります。

企業のお客様、多くはエンドユーザーに提出する文書や資料になりますので、企業にとっては、企業の業容や自社イメージを伝えるための重要なマーケティング・ツールになるといっても、それは過言ではないかと思います。 つまり、翻訳会社は、お客様である企業のマーケティング・ツール制作のお手伝いを常日頃、間接的にではありますが、サポートしているということがいえるわけです。

マーケティング文書であるからには、3つの重要な要素がそこには含まれていると私は日頃考えています。 最初に挙げられるのは、当然のことですが、読みやすいということです。 読みやすく書かれていないマニュアルがあれば、エンドユーザーであるお客様は、忙しい時間を割いてまでとても読もうという気にはなりません。二つ目は、理解しやすいということです。 文章ばかりがズラズラと長文で書かれてあるようなマニュアルでは、やはり読もうとする気が萎えてしまいます。 様々なイラストや写真、図解などがマニュアルの中には必要になります。 視覚的に訴えるマニュアルでなかればならない所以です。 そして最後の三つ目ですが、活用しやすいということが挙げられます。 マニュアルをさらに応用して、例えば機械を点検するためのチェック・リストをマニュアルをベースにして作り上げることができるようであれば、そのマニュアルは活用しやすいマニュアルであったと云うことができます。

これらマニュアルのクオリティは、もともと書かれているオリジナルのあるマニュアルのクオリティから当然のことですが、決定されるわけです。 やはり例を申し上げてみますと、日本語で書かれた加工機械の操作マニュアルがあったとします。 それを英語に翻訳をしてみた際、特に直訳で翻訳されて英語になったマニュアルであった場合ですと、どうも主語や目的語がはっきりしない、例えばですが、加工をするワーク(加工材料)をステージ(材料を加工する工作台)に乗せるのが、果たしてオペレーターの作業員の人がマニュアル(手動)で乗せるのか、それともコンベヤーあるいはロボットなどがオート(自動)で乗せるのか、日本語の主語のないマニュアルを読んでみただけでは、判明しないことが多々発生します。 それを翻訳者も目一杯の勘と経験則とを働かせながら翻訳をするのが実は現実ではないかと思うのですが、確かにどうしても翻訳者だけでは判断がつかないことも出てくるわけです。

このように、エンドユーザーであるお客様に使ってもらうためのマニュアルは、マーケティング的な考え方を十分取り入れて、誰が読んでも誤解することなく、正しい機械の操作をしていただけるものでなかれば、極端な場合はセーフティへの問題にもつながり、機械メーカーの安全に対する責任問題にも発展しかねません。 そしてこれらマニュアルが読みやすく、理解しやすく、さらに活用や応用ができるものであれば、それは立派なマーケティング資料として、お客様の記憶に長く残ります。 それらはなかなか表に現れて、すぐには数値化することのできるものではないのですが、お客様満足度(CS)向上させるためには、企業としては決して見落としてはならない要素ではないかと思います。

そのお手伝いをするのが翻訳者、そして翻訳会社の重要な使命のひとつではないかと私は考えています。 お客様の依頼で翻訳された文書や資料は、企業にとりましては、ひとつの立派なマーケティング資産となりますので、この資産を上手に活用しない手はないわけです。 このマーケティング資産をうまく活用している企業が、ますますグローバル化する世界の中で確実に成長を続けているように見受けられます。 やはりその点におきましては、日本企業と比べてみますと、残念ですが、アメリカのグローバル企業の方が、その戦略的な面におきまして一日の長があるのではないかという気がいたします。

翻訳を単なるコストとしてだけでみてしまえば、それはたった1回きりの経費の発生としてしか、その意味するところはありません。 しかしながら、翻訳することもひとつの投資なのだと考えれば、投資なのですから、投資の回収をしようという試みが生まれてきます。 コストという考えでは、そのような投資回収の考え方は生まれません。 投資した分を高い配当で回収しようとすれば、おのずと様々なアイデアや戦略が芽生えて、企業組織が活性化されてまいります。 このような好循環を作り出すのが、成長を続けているアメリカのグローバル企業は非常に長けているといわざるを得ません。 細かい個々のケーススタディは、本コラムではとてもカバーしきれませんので、さらにご関心のおありの方は、直接、私、酒井までご連絡いただけましたら幸甚です。 皆様の投資を本当に実のあるものにしていきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。


Ken Sakai
Pacific Dreams, Inc.
TOIN USA Inc.
kenfsakai@pacificdreams.org
ken-sakai@to-in.co.jp


   

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