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2008年1月号

日本のプレゼンス低下への懸念

ポートランド日本総領事館メルマガ1月号が元日の日に私のメールアドレスまで届きました。このメルマガによりますと2007年のオレゴン州に居住される日本人数が、6,254人(対前年比3.7%の増加)となり、これは在留邦人数の統計調査を開始した1976年からの最高の数字となったということで、2007年の人口が減少に転じる模様の日本本国とは対照的にオレゴン州の日本人の人口が確実に増え続けていることを知りました。その内訳はといいますと、留学生の方の増加率(7.7%)が顕著であったとのことで、また永住者数も昨年は80名増えている様子(対前年比2.2%増)でありまして、これは同じ永住者組の私としても嬉しい新年からのニュースでした。

しかしながら、こちらオレゴン州にいて日本人全体の数が増えている割には、日本人と日本に対するアメリカ世間一般の衆目度は毎年低くなり続けているように私の目には映ります。それはひとつには、昨年アメリカ人向けに日本人との間でのコミュニケーションやネゴシエーション、そしてプレゼンテーションに関しての効果的なやり方についてのセミナーを弊社で何度か開催したのですが、アメリカ人一般の参加者が激減してしまいました。またそのようなセミナーを自社で開きたいという企業数もやはり減少の一途という有様でした。

私の知り合いで、シンガポール出身でポートランドに住み、こちらで異文化コンサルティング会社を経営している中国系の女性を知っているのですが、彼女の対中国関係の異文化セミナーは大好評のようで、一般向けと企業向け、いずれもセミナーは大盛況だったと先日偶然ポートランド空港でお会いしたときに威勢のよいお話をお聞きしました。現在、アメリカと日本の間では特に話題に上がるようなテーマや貿易摩擦問題も見当たりませんので、日米関係自体、表面上では物凄くスムーズにいっているように見えるのかもしれません。一時期アメリカでも一世を風靡したジャパンアズナンバーワンや日本脅威論もまったく影をひそめてしまっております。日本はライバルなどという意識さえもアメリカ人のほとんどは誰も念頭にさえ置いていないように感じられます。

それもそのはずで、世界に占める日本の名目国内総生産(GDP)は、2006年度9.1%となり、24年ぶりに10%の大台を割り込んだという記事が12月27日の日経新聞の一面に載っていました。国民一人当たりのGDPも先進国クラブと呼ばれるOECD(経済協力開発機構)加盟30ヵ国中18位まで後退したということで、もはや先進国クラブとはいえその下位グループにかろうじてとどまる程度まで落ち込んでしまっているということであります。

この国際社会に対して、日本の地盤沈下の元凶はいろいろ考えられるのでしょうが、ひとつには世界の基軸通貨全般における円安であり、バブル崩壊後には当たり前となった経済の低成長、そして人口の減少ということになるのではないでしょうか。このままの出生率と高齢化が進むと2066年には、イギリスにも人口で日本は抜かれるという記事がやはり年末の日経新聞に出ておりました。人口が確実に減少していく将来を持つ日本が国と国民一人一人の豊かさ、そして国際社会の中でのプレゼンスを維持していくことは容易ならざる試練であるかと申せます。

アメリカ西海岸に暮らしていて、当地で日本との間のビジネスを常に主力商品として様々な業務を行っている私どもにとりましては、黙って看過することのできない問題であると映ります。オレゴン州の日本人数が増加しているというのは頼もしいことではありますが、増加している日本人がどのようにして自分たち日本人としてのプレゼンス自体をアメリカ人やアメリカ社会に対してアピールしていくことが出来るかをもっと突き詰めて考える必要がありそうです。今までそのような眼で見たりしたこともあまりなかったことでしたので、オレゴン州での日本人増加のニュースと沈みつつある日本の様子とが奇妙なコントラストをもってして、この年の始まりに私に何かの意味ありげなメッセージを送りこんでくれているような気に襲われているところです。


Ken Sakai
President

kenfsakai@pacificdreams.org

   

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