アメリカの公共交通機関
連日ニューヨークでの原油取引価格が最高値を記録する昨今、アメリカのガソリンスタンドの表示価格もほぼ2、3日おきに数セントずつ値上がりしている状況がここ何ヶ月間も続いています。 当然のことながら、アメリカ人の通勤の足として使われる自家用車のガソリン代の占める支出が家計の中で毎月うなぎ登りとなってきています。 その対策で、自家用車の代わりに公共の交通機関を使うアメリカ人の数も確実に増えてきているようです。
私の会社のある町、オレゴン州ウィルソンビル市には、“SMART”という名の市が経営している交通機関があります。 “SMART”とは、South Metropolitan Area Rapid Transit“を省略したもので、すぐお隣のポートランドには、”MAX“というライトレールとアメリカでは呼ばれる、2両編成の電車が走っています。 このMAXもMetropolitan Area Express の略です。 サンフランシスコには、”BART“と呼ばれる地下鉄がありますが、これは、Bay Area Rapid Transitの略です。
さて、わが市にあるSMARTは、大小さまざまなサイズのバスを使った交通機関で、近隣の市にある公共交通機関との乗り継ぎ巧みに系統立てていて、バスの乗り継ぎに確かに時間はかかるものの、近隣の町で公共バスが走っているところからであれば、ウィルソンビルまで自家用車がなくても、バス通勤で毎日通ってくることが出来ます。 このようにバス通勤が可能な町は、アメリカの中ではまだまだ珍しいと聞いています。 もちろん、市営バスの運営には、市が徴収する企業からの法人税が毎年投入されていますし、選挙での市民からの直接投票で市営バスの運営や援助が税金で公に認められているのです。
私の住む町セーレムを走る市営バスの名前は、“Cherriott”といいます。 セーレムはCherry Cityという愛称で呼ばれているので、そこからの命名です。 セーレムとウィルソンビルの間は、I-5という州間高速道路を突っ走って約30分の距離にあるのですが、やはりガソリン高で、SMARTを使うバス通勤者がますます増えているとセーレムからSMARTで通っている弊社の社員からも聞いています。 一時は通勤者が少なくて廃止の検討もされていたセ-レム・ウィルソンビル間のSMARTでしたが、いまや通勤者のますますの増加で廃止などというようなことは今後は、話の遡上にも上らないのではないかと思われます。
アメリカの大都市に出張でよく訪れることがあるのですが、ポートランドやサンフランシスコのように、空港までMAXやBARTのような公共交通機関が乗り入れている都市はまだまだ少数派です。 シアトルもロスアンジェルスもまだ空港には、ライトレールや地下鉄は通ってはいません。 日本人の私からしてみれば、これは驚くべきことです。 ポートランドは特に全米の都市の中でも公共交通機関の発達した持続可能(Sustainable)な都市として有名で、全米ならびに世界各国の自治体などからから多くの見学者が毎年訪れています。
2010年には、MAXがビーバートンとウィルソンビルとの間をつなぐ新たな路線が開通する予定となっておりまして、線路が敷かれる正式なルートや新しい駅名などもすでに発表されています。 2年後にウィルソンビルまでMAXが開通するということになれば、ポートランド空港からもMAXを使ってウィルソンビルまで来れるようになりますし、現在のSMART以上の大変大きな利便性をもたらせてくれることになります。 そうすれば、ウィルソンビルの町自体の付加価値ももっと高くなるような気がします。 今でもウィルソンビルは、近隣の町と比べてもビジネス環境の大変素晴らしい一等地ではないかと思いますので、さらにその価値に拍車がつくものと今から密かに期待をしています。
Ken Sakai
President
kenfsakai@pacificdreams.org
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